大村研究室

■研究課題: ○ウラン系列核種間の放射非平衡関係に基づく地質年代測定法の開発と応用 
○第四紀後期(過去数10万年間)における海水準変動史並びに地殻変動史の解明 
○ウラン系列放射性同位体および酸素安定同位体組成による古海洋環境解析
■キーワード: 「ウラン系列年代測定」・「第四紀」・「海水準変動」
○研究分野=同位体地質学
 伝統的な地質学的,堆積学的ならびに古生物学的手法に,同位体地球化学的手法を加えて,ある地域の成り立ちと生い立ちを解明し,地域的な情報から地球の営みに関する一般則を導く.
 本研究室における研究は,野外調査を通して自然界からの情報を直接引き出すことから始まる.その後の,各々課題を解決するために最適な試料を実験室に持ち帰り,観察・分析を通して多様な情報を収集する.特に研究上の”こだわり”は,独自にある放射時計(ウラン系列法)を開発・改良し,地質現象に正確な時間目盛を与えながら議論を展開するところにある.
本研究室で取り組んできた最近の研究テーマ
T.西太平洋域における第四紀後期サンゴ礁について
@,フィジー諸島の更新世サンゴ礁段丘形成年代測定と地殻変動史の解明
A,パプアニューギニアのサンゴ礁段丘から復元された更新世後期海面変化曲線の再検討
B,南西諸島における更新世後期サンゴ礁段丘の年代測定
C,鹿児島県喜界島(中部琉球)における完新世サンゴ礁の形成過程
D,サンゴ礁段丘の形成史と氷河性海水準変化及び地殻変動との関係
E,沈水サンゴ礁の形成年代と最終氷期最盛期における相対的海面高度の推定
F,フィリピン諸島中央部ヴィサイヤス地方の後期更新世サンゴ礁形成過程
G,フィリピン諸島ルソン島西海岸における完新世海面変化史と地殻変動史の解明
U.ウラン系列年代測定法について
@,地質試料中のウランおよびトリウム同位体に関する効率的分析法の開発
A,ウラン系列年代測定法の信頼性および高精度化に関する研究
B,第四紀後期広域指標テフラや洞窟沈殿物などへのウラン系列年代測定法適用の試み
V.その他
@,北陸地方の地域地質(例,金沢市・市街地下の-過去のボーリング試料の総括-
A,海底堆積物のウランおよびトリウム同位体組成に基づいた過去8万年間における日本海の海底環境変遷史

大村研ホームページ

戻る