長谷川研を目指すあなたへ

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金沢大学自然システム学類に入りコース選択で悩むあなたへ

ここでは,地球学コースと長谷川研究室の魅力について,私の経験を含めて語りたいと思います.少し長いですが,後半が大事なので,我慢して読んでくださいね.近くにいますので,ぜひ研究室を覗きに来て下さい.

地球学コース教授としての立場から見た自然システム学類生

 金沢大学は数年前に改組されて,従来の「学部」,「学科」より大きな「学域」,「学類」へと改組されました.改組前の枠組みでは,理学部地球学科と大学院自然科学研究科で地球科学の教育を行っており,全体を総括して「地球学教室」と呼んでいました.新しい枠組みでは,地球学教室の初期専門教育は,自然システム学類の「地球学コース」で行っています.改組前は,入試では「地球学科」に出願するので,入学当初から地球学を勉強することが決まっていました.入学前に既に地球科学に興味を持ち,「地球科学が早く学びたい!」という学生が全国から集まっていました.

 自然システム学類に改組されると,入学当初から「金沢大学で地球科学をやりたい」という意欲を持った学生が大きく減ってしまい,私は落胆いたしました(逆に,少しでもいてくれることは,本当にうれしい).自然システム学類入学者の多くが生物学を学んできており,その魅力を知っている反面,地球科学の面白さを知らない,そしてそのままコース選択では地球学コースを志望するものは少なく,生物学コースに志望が集中する...

 しかし思い直したのです.「地球科学の魅力を知らない真っ白な君たちに,地球科学の一番面白いところから教えていける」のだと!

地球を学ぶベストプレイス:それが金沢大学自然システム学類

 入学前から地球科学に興味を持ってきてくれる学生は,最初に興味を持ったことに強い印象を与えられていて,興味が偏ってしまうことがあり,私はそれに問題意識を持っていました.恐らく,並み居る旧帝大でも,一般の地方大学でも,この問題は解決できていない.しかし金沢大学の自然システム学類から地球学コースに進む真っ白な君たちは違う.「こういう意識を持って欲しい,ここが魅力なんだよ」と私が教えることを,どの大学の学生よりも素直に受け止められる.そして以前から地球科学に興味を抱いている少数の学生と切磋琢磨していけるのです.だから,全国の大学の中で最も「伸びていく」学生を育てられると,私は確信したのです.

 私はこの大学で「世界に羽ばたく素晴らしい専門家,研究者を育てたい!この地球学コースだからこそ,それができる!」という意欲に,今,駆られています.それ以来,少しでも地球科学の魅力に気づいてもらうように,授業で努力と工夫をしてきたつもりです.

あなたを引き出す「楽しい」を探しましょう

 私は1年生の授業の最後には「感想」を書いてもらっていますが,「楽しかった」と書いてくれる学生が増えてきました.「興味を持った」「重要だと気づいた」ことも大事なのですが,私は「楽しかった」が一番大事だと思っています.専門の教育も,研究も,同じです.「楽しいこと」が一番大事.工学系のコースでは「役に立つ」がパラダイムですが,地球学では「楽しいこと」.楽しいと思ってやることが,将来,自分の腕を磨き,技術を身につけ,就職に有利となり,社会に出て身を助け,やがて社会に役に立つことになる(長谷川研で使う手法は,石油探査会社や環境コンサルタントではとても役に立つ手法ですが,そのことを気にした研究はしません).私は楽しく研究をしたいし,学生諸君にも楽しく知識をつけ,楽しく研究をして欲しい.

 何気ない「直感的ひらめき」の中に地球を紐解く大事なヒントが隠れています.その「ひらめき」が本物なのかどうか,最新の知識と装置を使って確かめましょう!楽しさの中から見つかるものが,君たちの宝石なのであり,それを手にする君たちは,どの大学を出るよりも輝ける専門家となって羽ばたいていけるでしょう.