(1)鉱物分離(under construction) | |
岩石粉砕 2B112 | |
まず全試料のだいたいの重さを量っておきます。ハンマー,もしくはトリマーを使って岩石をhand specimen サイズにします。 | |
次にクラッシャー・ディスクミルで砕いていきます。ドラフトのスウィッチを入れ電気をつけましょう。 | |
コンタミをさけるためには掃除が命です。コンプレッサーを上手に利用しましょう。ほこりを避けるためにマスク、ゴーグルをつけましょう。 | |
ディスクミルはディスクを開いて掃除しましょう。 | |
油切れは命取りです。時々確認しましょう。 | |
ビニール袋(厚手)をテープでクラッシャーに装着します。ほこりがまうのを避けるためにも,なるべく深くつけましょう。ビニール袋に試料名を書くのを忘れないようにします。 | |
スィッチをいれて,試料を入れていきます。一度に入れると詰まるのでひとつずつ丁寧に砕きます。決して手を入れないで下さい。固い石の場合は岩片が飛ぶことがあるので,石を入れた後ふたをするのが安全です。 | |
次にディスクミルの試料降下口に水を入れたステンレスパットをおきます。 | |
ディスクミルのスウィッチを入れ,試料を入れていきます。一度にたくさん入れると詰まるので最初はビーカーなどですくっていれるといいでしょう。 |
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ステンレスパットがいっぱいになりそうなら交換します。 | |
終わったら試料は次の水洗いに備えてステンレスの桶に入れます。 | |
最後は徹底的に掃除して次の試料に移ります。 | |
水洗い&ふるいがけ 2B112 | |
米を研ぐ要領で細かい粘土を洗い落とします。 | |
水を良くきって、ステンレスバットに試料を入れ,緩くアルミフォイルでふたをして乾燥させます。温度は60度より低い温度にしましょう(アパタイトのFTアニーリングやHeの拡散を避けるため) | |
流し台に流れ出た,泥はきれいに流しておきます。 | |
乾燥したらふるいかけで,粗い岩屑を取り除きます。まず32#(0.5mm),ターゲット鉱物のサイズによっては60#をさらにかけても良いでしょう。 | |
パニング 2B112 | |
試料(パミスやスコリアが多い凝灰岩など)によっては重鉱物の濃集にパニングが効果的です。パニングする予定があるなら,上記の水洗いは程々でいいでしょう。 | |
パニング用の大バケツに水を溜めます。あとの排水用に,蛇口が排水溝の上にくるように配置しましょう。 | |
パニング皿に試料をのせてくるくる回し,軽い鉱物を吹き飛ばします。 | |
残った重鉱物をステンレスバットに集めます。 | |
重鉱物は乾燥に出します。試料の量が少ないならろ紙に受けると早く乾燥するでしょう | |
バケツから水を排水し,中にたまった軽鉱物を洗い流します。 | |
比重分離その1 2B422 | |
LSTを利用して約2.8g/cm^3の比重でわけます。ほかにもブロモフォルム,SPTなどの重液が利用可能です。ブロモフォルムはその毒性に問題があります。SPTはやや粘性が高いために分離に時間がかかりますが,遠心分離機などを使うとその問題をクリアできます。LSTにもSPTほどではありませんが粘性があります。 | |
分液ろうと,もしくはビーカーに重液を入れます。その後試料を入れてよく撹拌し,分化するのを待ちます。 | |
分かれたら重い粒子,軽い粒子をそれぞれろ紙に受けます。重液はそのまま,重液用ボトルに落とします。 | |
重液のしみ込んだ試料は,脱イオン水で洗浄します。洗浄液はその後加熱して水分をとばし,比重を2.8に調整して濾過した上で重液用ボトルに戻します。 | |
磁性分離 2B422&2B111 | |
筒状強磁石,NEOMAX(超強磁石),アイソダイナミックセパレーターが利用できます。試料の磁性鉱物の量によって,またどのような鉱物を必要とするかによって使い分けます。 | |
筒状強磁石は,マグネタイトやヘマタイトをとります。磁石に穴があいていてそこに筒を通して、試料を流します。筒を忘れると壊滅的なことになるので気をつけましょう。 | |
NEOMAXを利用するときは専用の磁石カバーをさらに薬包紙で覆います。薬包紙は試料毎に取り替えましょう。磁石カバーをかけた磁石で、紙の上にばらまいた試料をなぞります。輝石や黒雲母などの弱磁性鉱物もとることができます。 | |
アイソダイナミックセパレーターでは,電磁石中を試料を通すことによって分離します。電流値を変えることによって,弱磁性鉱物をさらにわける時に使えます。金沢大学のものはバイブレーターが弱いので試料通路の角度を工夫する必要があります。 | |
比重分離その2 2B422 | |
ジヨードメタンを利用して,約3.3g/cm^3の比重でわけます。ジヨードメタンは毒性があり,実験はドラフトの中で行う必要があります。また洗浄にはアセトンを利用します。 | |
小型のビーカー(50ccか,それ以下)に重液を入れます。その後試料を入れてよく撹拌し,分化するのを待ちます。 | |
浮いた鉱物をろ紙に流します。その時,ろうとはジヨードメンタのボトルにさして直接重液をボトルに戻します。重液がろ紙からおちたら,ろうとを移し、アセトンで試料の洗浄を行います。 | |
重い粒子をアセトンでろ紙に洗い流します。 | |
アセトンとジヨードメタンの混合物はドラフト中でアセトンをとばし、比重が回復したらジヨードメタン用ボトルに戻します。 | |
酸処理 2B422 | |
フッ酸処理。 ジルコンやバライト,パイライトなどが必要で,重鉱物中に混入した(もしくは目当ての鉱物に付着した)石英、長石が邪魔になるときには,フッ酸処理を施します。試料の名前を書いたプラスチックもしくはテフロンピーカ(100cc)に試料を入れ,フッ酸(47%)を注ぎ入れ(10~20cc)一昼夜おいておきます。ドラフトの中で,バットの上で実験しましょう。ガラスの容器を使ってはいけません。 |
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硝酸処理。 |
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フッ酸処理,硝酸処理に共通の後始末。 それぞれ反応が終わったら,バケツに酸をあけます。実験用手袋をした方がいいです。水(水道数で十分)を用意し,ビーカー(試料)に水を入れては捨てるを繰り返します。この時,解け残りのかすが一緒に流れ出ていきますが,目当ての鉱物を流さないように注意しましょう。 |
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その後ビーカー(試料)に水を入れたあとアンモニアを少量入れ超音波洗浄します。超音波洗浄はアンモニアのにおいが気になるときはドラフトの中に入れて行います。 | |
アンモニアをあけて,また水(水道水)での洗浄を繰り返します。 | |
最後にイオン交換水を入れて超音波洗浄します。これを2〜3度行います。 | |
試料をろ紙に受けて乾燥させます。 | |