タコブネ(地学団体研究会北陸支部連絡紙)第2巻、第5号 2000年8月1日発行

事務局:920-1192 金沢市角間町金沢大学理学部地球学教室内 Tel:076-264-5724 Fax:076-264-5746

責任者:石渡 明 (支部年会費500円:郵便振替口座 00790-4-12164 名義人:石渡 明) e-mail:

geoishw@kenroku.kanazawa-u.ac.jp (http://kgeopp6.s.kanazawa-u.ac.jp/~ishiwata/hokuriku.htm)

 

春の講演会・総会報告

 

2000年5月13日,金沢大学理学部地球学科第1講義室にて地団研北陸支部講演会・総会が行われました.

 

講演 山本朗子氏(金沢大学大学院生)「石川県金沢市医王山の中新統流紋岩と真珠岩の岩石学的研究」

   野村正純会員(七尾市立有磯小)「七尾石灰質砂岩層から発見されたギンザメ歯板化石」

   石渡 明会員 (金沢大学理学部)「金沢市の戸室火山崩壊堆積物から出土した炭化木の14C年代」

   田崎和江会員(金沢大学理学部)「金沢大学角間キャンパス移転工事現場から出土した材化石」

     なお,予定されていた守屋以智雄氏(金沢大学文学部)による「火山体崩壊による岩屑流―

     特に金沢市の戸室火山大崩壊について―」は,講演者の体調の関係で中止されました

田崎耕市会員の感想

 先日は北陸支部の例会および懇親会に参加させていただき,ありがとうございました.福井から富山までの広がりを持つこの支部が地理的な不便を克服しつつ,研究や普及に着実な活動を続けてこられたことに,敬意を表します.大学,研究所,中学・高校などにおける研究や教育の環境や条件が厳しさを増している中で,市民との連帯と普及を視野に入れつつ,第一級の創造活動を目指そうとする,地団研の運動が生き続けていることを心強く思いました.私自身は,四国松山に12年居たにも関わらず,組織的な団研活動を行うこともできませんでした.そればかりか,有能な若手研究者が地団研から退会していくのをとどめることもできなかったことが,苦い思い出となっています.彼らは,”地団研にいても儲からない 地団研は学問の発展に関係のない普及団体になってしまったなどとよく言います.これを,業績主義と言って非難するのは簡単ですが,そのように追いつめられた状況を打ち破するのは,対等な専門性に裏付けされた連帯と,普及活動によって得られる市民からの厚い支持であると思います.私も縁あって北陸の地に住むこととなりました.ささやかながら,地域の子供や親とともに地元の自然に親しむ学習から始めることにしました.これから,おせわになることも多いと思いますが,なにとぞよろしくお願いいたします.田崎 耕市〔元愛媛大学地球科学,教員)

支部総会報告

1.全国運営委員会報告(石渡 明:中川登美雄の代理として出席)2000年5月2日午後3時より,横浜市鶴見の鶴見大学会館で行われました.活動報告,決算報告,予算案,地球科学賞,入退会などについて報告と議論がありました.来年の総会は5月3日(木)-5日(土)に会長(大友幸子氏)が所属する山形大学で行われます.なお,本部総会は出席者不足で成立しませんでした.

2.「北陸の自然をたずねて」執筆状況報告(下の編集委員会報告を参照して下さい)

出席者(敬称略) 【会員】:赤羽久忠*・竃義夫*・宇井啓高*・山本 茂*・安野敏勝・山田一雄*・中川登美雄・田崎和江・田崎耕市*・野村正純*・横山精士・松山幸弘*・石渡 明* 【非会員】:山本朗子*・葛木建大・今坂美絵・武藤俊充・清水 豊・市山祐司・長谷部徳子・田村明弘・ホアン カルロス ロペス.【欠席連絡】小林武彦・田中 豊・木戸 聡・梅田美由紀

 

懇親会: 金沢市柿木畠の「あまつぼ」で行いました.出席者は上の中で*印の人です(右の写真).


北陸支部 夏の巡検の案内

七尾少年科学館と七尾石灰質砂岩層の化石巡検

 

集合日時:2000年8月27日(日)11:00(日帰り.午前中科学館見学,午後地層見学・化石採集)

集合場所:七尾市少年科学館(JR七尾駅近く,国道159号と160号の交差点付近.山王小学校4階,

  七尾市山王34番地, 電話0767-52-2634)

案内者:七尾市立有磯小学校教諭 野村正純氏

雨天決行.参加希望者は金沢大の石渡まで葉書,電話,ファクス,メールなどでお知らせ下さい.

 


「北陸の自然をたずねて」 編集委員会報告

7月20日に第3回編集委員会が金沢大学角間キャンパス総合教育棟の石渡研究室で行われました.ほぼ8割前後の完成状況ですが,まだ1次原稿が出ていないコースもあります.8月31日が最終原稿の締切ですので,著者の方はよろしくお願いいたします(執筆状況: ◎完成,○ほぼ完成,△一部完成,×未完成).

 

今回指摘された執筆上の主な注意点(1)形式は1979年の前書と同様にする.地形図は1:5万と1:2.5万を併記し,コース順を示す部分に距離は不要.公共交通機関は,今回は原則として記述不要(便利な場合は入れてもよい).(2)用語の統一について.(A)「累層」はすべて「層」とする.(B)鉱物名は漢字とカタカナで標記し,ひらがなは用いない.(C)二畳紀・三畳紀とし,ペルム紀・トリアス紀は用いない.(3)今回は各文末にカッコで括って著者名を記す.囲み記事も同様(本文と著者が異なる場合).

 

0.○前書 石渡 明
1.△概説 中川登美雄・石渡 明

<福井県> (幹事:中川登美雄・安野敏勝)

2.○若狭内浦湾周辺の地層と化石 中川登美雄
  ○(囲み)高浜貝層 中川登美雄
3.○大島半島の夜久野オフィオライト 石渡 明
  ○(囲み)三方五湖と縄文遺跡 木戸 聡
4.○敦賀湾周辺の地層と岩石 木戸 聡・梅田美由紀
5.○南条山地の付加体の地層 梅田美由紀
  ○(囲み)南条山地の放散虫化石 田賀秀子?
  ○(囲み)日野山東林道の二畳紀放散虫 田賀秀子?
  ○(囲み)夜叉ヶ池と古池 梅田美由紀
6.○丹生山地の段丘堆積物・活断層と糸生層 山本博文・中川登美雄
  ○(囲み)糸生層から産出する昆虫・魚類化石 安野敏勝
7.○足羽山のグリーンタフと自然 梅田美由紀・吉澤康暢
  ○(囲み)
1948年福井地震 山本博文
8.○越前海岸の地層と化石 中川登美雄
  ○(囲み)越廼村の哺乳類足跡化石 安野敏勝
  ○(囲み)海食洞と隆起波食棚 山本博文・中川登美雄
9.○東尋坊付近の堆積岩と火山岩   安野敏勝・中川登美雄・吉澤康暢
  ○(囲み)東尋坊のピジョン輝石安山岩  石渡 明
10.○加賀−金津地域の地層と岩石 中川登美雄・吉澤康暢
11.○和泉村の手取層群と飛騨外縁帯 安野敏勝
  ○(囲み)荒島岳コールドロン 石渡 明
  ○(囲み)木落断層 山本博文

<石川県>(幹事:石渡 明・田崎和江)

12.○白山火山と白山の動植物  東野外志男
  △(囲み)白山柳谷湧水のバイオマット  田崎和江・石渡 明
13.○白峰周辺の手取層群と恐竜化石  松浦信臣
14.○金沢周辺の玄武岩・安山岩・流紋岩  石渡 明
  ○(囲み)
1995年の根上隕石落下  石渡 明
  ○(囲み)森本活断層 石渡 明
15.○金沢周辺の地層と貝化石および河岸段丘  山本英喜
  ○(囲み)氷河性海面変動  山本英喜
  ○(囲み)大桑層・卯辰山層の珪藻化石  山本英喜
16.×宝達山の花崗岩  金山憲勇(7月に執筆者変更)
  ○(囲み)内灘砂丘と河北潟  田崎和江
17.△千里浜・柴垣町周辺・邑知地溝帯 大村明雄・神谷隆宏
18.△七尾周辺の自然  野村正純
19.○能登半島西海岸の火山岩 田村芳彦
20.○輪島から珠洲市禄剛崎  加藤道雄
  ○(囲み)舳倉島・七ツ島  佐藤博明
  ○(囲み)能登の子ぶり石と鉄砲石 赤羽久忠
  ○(囲み)
1993年能登半島沖地震 石渡 明
21.○珠洲市禄剛崎から穴水 加藤道雄
  ○(囲み)九十九湾  大村明雄

<富山県>(幹事:赤羽久忠・山本 茂)

22.×高岡・氷見地域 松島 洋
  ×(囲み)ひょうたん石 松島 洋
  ○(囲み)有孔虫 緑 鉄洋
  ×(囲み)地辷り 松島 洋
23.○八尾周辺の地層と化石 金子一夫・清水正之
24.○神通川沿いの地質 宇井啓高
  △(囲み)イタイイタイ病 田崎和江
25.○片貝川流域の飛騨変成岩類と宇奈月変成岩類 椚座圭太郎
  ○(囲み)飛騨変成帯の発達史 椚座圭太郎
26.×呉羽山と射水丘陵 竹内 章
  ×(囲み)富山市直下の呉羽山活断層 竹内 章・川崎一朗
27.○立山火山と立山カルデラ 山本 茂
  ○(囲み)安政の飛越地震 山本 茂
  ×(囲み)跡津川断層 竹内 章
  ○(囲み)立山温泉新湯の玉滴石と珪化木 赤羽久忠
  ×(囲み)立山町千垣のAT火山灰 喜夛佐由里
28.○滑川・魚津地域 金子一夫
  ○(囲み)魚津埋没林と入善海底林 神嶋利夫
  ○(囲み)富山湾の蜃気楼 寺島禎一
29.×黒部川流域 国香正稔
  ○(囲み)黒部峡谷餓鬼谷の噴泉塔 赤羽久忠
  ○(囲み)宮崎海岸のヒスイ 宮島 宏
30.○境川流域 後藤道治
  ○(囲み)上路の青海変成岩 石渡 明
31.○富山県中部の地層と恐竜足跡化石 後藤道治
  ○(囲み)富山県初の恐竜の歯化石 藤田将人

表紙(各コース位置図) 中川登美雄
見開き(地質図) 石渡 明
年代表 中川登美雄
索引 石渡 明

8月31日最終原稿締切!各県の幹事に図表・フロッピーを沿えて提出して下さい.

 

会計報告 (2000/08/01現在)

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収入 00/01/05 前回報告時の差引残高 71,242

      (全国運営委員派遣旅費繰越金19,329円を含む)

       支部会費(11人)*   10,000

   00/05/13 コンパ残金      3,000

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       収入総計       84,242

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支出  00/05/08 支部ニュース43号発送費(葉書代) 5,000

    00/08/01 タコブネ2巻5号発送費(切手) 8,000

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       支出総計       13,000

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       差引残高       71,242

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*00/01/05以後に会費を支払った方(2000年8月1日〆支払い日順,敬称略)

中村亮仁・寺西・若林・横山・中塩・野村・木戸・田崎耕市・山本茂・松山・新田(以上11名)