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角間キャンパス岩石散歩
(石渡先生作成)


Kanazawa University
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金山さん(海野研)のICGAPOM参加報告


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1.ICGAPOM-1

ICGAPOM (International Conference on the Geology of the Arabian Plate and Oman Mountains) は2012年1月7日から9日までの3日間にわたり,オマーンのサルタン・カブース大学にて開催された.この学会ではオマーンおよびアラビア地域のオフィオライト関係の地質・岩石学的研究成果が発表された.参加人数は200名程度?で小規模ではあるが,濃厚な学会であった.

2.ICGAPOM-2

私たちはオマーンでの2週間の調査を5日に終えて,6日,マスカットへ向かった.サルタン・カブース大学は広大な敷地に真新しい建物が並び,大変きれいな大学だった.時間があれば全体を散策してみたかった. 学会には長年オフィオライト研究に携わってこられた著名な方々も多数参加されていた.発表の合間の質疑応答では彼らの間で激しい議論が行われることがあり,聞いている方は大変わくわくした.特にオマーンオフィオライトの地質構造の解釈や,起源といった根本的な問題が研究者の間で未だコンセンサスが得られていないことが分かった.私は,オマーンオフィオライトに産する島弧的特徴を持つ火成岩の研究発表を特に興味深く聞いた.私が卒論以来研究している小笠原の火山岩と成因的に共通するところがあると考えられているからである.日本からは金沢大と新潟大の参加が多く,学生の発表も目立った.私自身の発表はなかったが,みんなの話しを聞いてインスパイアされることが多かった. 学会の昼食は大学内でオマーン料理がふるまわれた.オマーンの料理は本来辛くなく,マイルドな味付けのものが多いようだ.

3.ICGAPOM-3

Photo

1月10日から12日にかけては巡検が開催された.私たちはオマーンオフィオライトのモホから地殻セクションの巡検に参加した.案内者は金沢大と新潟大を中心としたメンバーで,彼らによって作成された巡検案内書がとても詳しく充実しておりとても参考になったし,これからも折にふれて見返したいと思う.参加メンバーは,日本からは金沢大,新潟大,信州大,それにJAMSTECや別府の地熱研究施設からも参加された.他にはドイツや中国からの参加者もいた.オフィオライトの研究者だけでなく,資源系の人も参加されていた.私は新潟大のM先生やAさんが説明されたガブロノーライトやウェールライトなど深成岩体の成因には感銘を受けた.彼らの考えには詳細な現地調査に基づいた地質構造の解釈が重要なポイントになっていて,フィールド調査の大切さを感じた. 調査を含めて3週間以上にもわたるオマーン滞在であったが,現地の風土も楽しめたし,勉強になることが盛りだくさんの良い経験をさせていただいたことを感謝いたします.

 写真:モホ遷移帯を眺める巡検参加者

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