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角間キャンパス岩石散歩
(石渡先生作成)


Kanazawa University
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金山さん(海野研)の国際測地学・地球物理学連合(IUGG)参加報告


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1.IUGG総会-1

IUGG(国際測地学・地球物理学連合:The International Union of Geodesy and Geophysics)総会は4年に一度開催され,2011年はオーストラリアのメルボルンで6月28日から7月7日にかけて開催された.学会の会場は,大陸南東端のポートフィリップ湾にそそぐヤラ川のほとりに位置するメルボルン・コンベンション&エキシビションセンターである. 全体で3392人もの研究者が参加した大規模な学会であった.日本からの参加は468人で,開催国オーストラリア,アメリカに次ぐ3番目に多い人数である.気象・地震・火山学などの研究成果が口頭およびポスターの形で発表された.特に地震関係のセッションでは日本人研究者の活躍が目立った様に思う.私は火山学の分野の発表を重点的に聞いた.地道なフィールド調査に基づいた噴火様式の推定や層序の研究には興味を惹かれた.学生の発表もかなりあった.私と同じ分野に興味を持って研究を頑張っている同世代の人が世界にたくさんいるという実感が得られ,気力(と焦り)が湧いてくる.

2.IUGG総会-2

7月5日,私は初めて国際学会で口頭発表を行った.卒論以来継続して行っている小笠原群島の地質学的・岩石学的研究のなかで,最近成果がまとまりつつある母島の玄武岩マグマの成因について発表した.前日まで発表原稿を指導教員であるU先生に見ていただいていた.発表当日は緊張のあまり他の人の話が全く頭に入らなかった.本番は原稿を読むだけで精一杯であった.高マグネシウム安山岩の研究で有名なK氏から質問していただいたが,英語を聴き取れなかったため,上手く回答することが出来なかった.もっと勉強(英語その他)をしてK氏と議論出来るくらいになりたい,と切に思った.ほろ苦くも貴重な経験をさせていただいた.

3.メルボルン

到着した日に半日ほど市内観光をした.トラムと呼ばれる路面電車に乗って中心部を一周することが出来た.トラムからイギリス風の建物を多く見ることが出来た.立ち寄った王立展示館とカールトン庭園は眺めているだけで楽しかった. 宿泊していたホテルや学会会場周辺には和・洋・中と様々なジャンルのレストランがあり,食事する場所には全く困らなかった.特に学会会場近くの飲茶のお店はとてもおいしかった.

4.ピルバラ

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学会参加の後,大陸北西部まで足を伸ばした.我々はポートヘッドランドという,オーストラリア北西部の港町に降り立ち,そこからレンタカーで内陸のカレヒニ国立公園へ向かった.メルボルンは小雨のぱらつく冬であったが,ポートヘッドランドは一転,カラッとした夏であった. カレヒニ国立公園までの道中は,先カンブリア時代の環境を記録する地層からなるピルバラ地塊を横切っていく.草木のまばらな荒涼とした平地を走っていくと,時折,岩石質の丘があらわれ,近寄ってみると先カンブリアの火成活動によって生成されたコマチアイト質溶岩や花崗岩などの深成岩を観察することが出来た.また,地球上最初の光合成の証拠であるストロマトライトの化石を初めて見ることができ感動した.草原に頻繁に見られたのは,赤褐色のこんもりした物体である.それらは蟻塚という蟻の巣で,人の背の高さより大きいものもあった.カレヒニまでは南北に港まで続いている線路沿いの道路を行ったのだが,その線路を走る鉄鋼石を運ぶ列車の長さには驚いた.踏切を過ぎるまで10分以上の時間がかかっていた. カレヒニ国立公園は深い峡谷の発達した縞状鉄鋼床の分布する地域にあり,周辺には鉄鉱石を採掘する鉱山がある.峡谷の深さは200mくらいありそうである.谷底に降りて地層を見てみると,白色のチャートと黒~茶色の鉄鋼層が交互に重なっていることが分かった.縞状鉄鋼床は20億年前以前の光合成生物の出現によって海水中の酸素濃度が増加する過程に形成されたと考えられている.太古の地球環境の進化を記録した大地を目の当たりにしてわくわくしたし,思い出に残る貴重な体験だった.      
     
 写真:カレヒニ国立公園

現在の項目:

1.IUGG総会
2.IUGG総会
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4.ピルバラ

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