海洋/島弧深部物質の研究室

岩石と水―日本列島が造られ、生命が誕生した!?


森下 知晃 (教授)

 地球の体積の8割はマントルです。上部マントルではマグマが発生、移動し、地表では地殻が形成されています。しかし、その現象のプロセスはいまだ謎に満ちています。

  • 水/マグマが島弧形成にどのように関与?
  • 沈み込むプレートがある深度に達すると高圧によって含水鉱物が分解して水を放出、その水がマントルに取り込まれてマグマが発生する。マグマはマントルよりも軽いため上昇し、地殻-マントル境界付近で溜まる。このマグマ溜まりが熟成して地表へ噴出したのが火山である。こうしたプロセスには不明な点が多く、アルバニアのオフィオライト(地表に露出したリソスフェアの巨大な岩体)の調査によって解明しようと考えている。
  • マントル物質/水の低温反応を解明
  • プレート拡大域・収束域では、マントル起源物質と水を主成分とする流体とがマントル条件よりも低温で変質反応を起こしている(たとえば、蛇紋岩は上部マントルの主な構成物質であるカンラン岩が低温変質した)。また、太陽光の届かない海底でも、熱水噴出孔周辺には熱水に溶けた元素を利用した生命活動が営まれている。私たちはプレートの拡大域・収束域の海底から採取した岩石試料を検証し、マントル物質の改変プロセスと化学組成の変動を明らかにしたい。
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