瀧田さん(隅田研)の2011年米国地球物理連合秋季大会参加報告
1.はじめに
2011年12月5日~9日までアメリカ・サンフランシスコのAGUという学会に参加し、10~14日までアリゾナ州に色々な地形を見に行きました。
AGUはAmerican Geophysical Unionという正式名称で、参加者2万人という大きな学会です。私はPlanetary Scienceというセクションで、自分が行っているクレーター形成実験についてポスター発表を行ってきました。
アリゾナではメテオクレーター、グランドキャニオン、化石の森などを見に行きました。
ここでは学会の様子とメテオクレーターについてお話ししようと思います。
写真左:アリゾナ
写真右:サンフランシスコ
2.学会の発表について
自分の発表には10人程度の方が聞きに来られました。日本語でも発表は難しいのですが、英語で説明するとなると言いたい言葉が出てこないため余計に大変でした。しかし皆さん親切で辛抱強く話を聞いてくれました。聞きに来る人はクレーター実験や惑星科学関係の人以外に、子供向けに実験をやりたいので参考にしたい、という人も来ました。
はじめて英語でやり取りをするため、最初のほうは緊張で頭が真っ白でしたが、徐々に慣れて少しはコミュニケーションをとることができました。ただ、深い議論をするためにはもっと英語で話す力が必要だということを痛感しました。
写真:発表の様子
3.メテオクレーター
アリゾナにはメテオクレーターという直径1.2km、深さ170mのクレーターがあります。5万年前に直径50mの隕石が衝突してできたと考えられています。砂漠にあるため風化の影響が少なく、きれいな状態で存在しています。
遠くからクレーターを見るとリム(クレーターの縁)が山のように見えました(写真)。実験で作る小さなクレーターもリムが山のように尖っていますが、実物を目の前にするとあんなに突き出ているのか、と驚きました。
クレーターの内側には地層と断層が見えます。断層はクレーターができる前から存在するものです。クレーター周辺を職員の人に案内してもらいました。実物大のクレーターを見ることで、クレーターについてより深く理解できました。
写真左:クレーター
写真右:クレーターリム
4.最後に
昨年春ごろに先生からアメリカへ行くお話があり、学生だからできる経験であり研究を行う上でも必要だと思い、迷わず行くことを決めました。昨年は学会で発表することをモチベーションにして研究を進めることができましたし、海外の研究者とのお話、実物のクレーターを通して今後の研究への刺激を得ることができました。また、はじめての英語でのコミュニケーション、はじめての海外滞在という貴重な経験を得ました。
今後は研究や、卒業後の人生にこの経験を役立てたいと思います。
写真:サンフランシスコで出会ったかもめ