Gnuplot使い方の基本



● ディレクトリの変更

Gnuplotを立ち上げてそのまま実行すると,Windowsの場合はおそらくマイドキュメントなどにファイルが保存されます.(Macの場合は分かりません)
あっちゃこっちゃにファイルをやるのが嫌な場合,もしくは自分でフォルダを作ってそこにファイルを保存したい場合はグラフの作成を行う前にディレクトリの変更を行ってください.

― ディレクトリとは?
フォルダやファイルの存在する場所,住所のようなものです.
住所は簡単なほうが覚えやすいのでCドライブもしくはDドライブの直下においておくと良いですね.

例)Cドライブの直下にGnuplotフォルダを作成した場合.

cd "C:/Gnuplot/"

これでディレクトリの変更ができます.
一応この命令を入力した後に,本当にディレクトリ変更ができているか確認しておきましょう.
「pwd」と入力して,「C:/Gnuplot/」と表示されればOKです.


● データの読み込み

データファイルを作りましょう.
2軸のグラフを作成する場合は,メモ帳やノートパッド,もしくはそれに類するプログラムを使って「dat」ファイルを作成しましょう.
作成したファイルは,必ず自分が作成したフォルダに保存します.
適当なところに保存してはいけません.

datファイル(たとえばtg.dat)を読み込んでグラフを作成したいときは以下のように命令を入力します.

plot "tg.dat"

これでグラフが表示されるはずです.


● グラフのオプション

さて,グラフができました.やったー!とここで終わってはいけません.
グラフを作成したら縦軸と横軸のメモリやラベル,凡例などをいろいろと変えて見やすくしなければなりません.

グラフの調整にはさまざまなコマンドが必要になってきます.
いちいち手入力するのはめんどくさいですが,一応下に並べておきます.

― グラフのタイトル
set title "タイトル"

― 縦軸と横軸の範囲指定
set xrange [290:800]
set yrange [20000:35000]

― 軸の目盛り指定(1メモリいくつにするか?)
set xtics 50
set ytics 50

― 軸のラベル
set xlabel "横軸"
set ylabel "縦軸"

― 凡例
set key option

option部分にはいろいろ入れることができます.
x,{y}  x,y座標の位置に表示
left    左側に表示
right    右側に表示
top     上側に表示
bottom   下側に表示
outside   図の右側の外に表示
below    図の下側の外に表示
box     凡例を枠で囲む
title "タイトル"  タイトルをつける

さて,ここからが本題です.
これらを毎回打ち込むのはひじょーにめんどくさい!
なので一度にこれらを読み込むことのできる魔法のファイル「plt」ファイルを作成しておきます.
このファイルも「dat」ファイルと同じようにメモ帳などで作成します.

例)タイトル,ラベル,軸の範囲指定,メモリ指定,凡例(枠で囲む)を入力

# タイトル
set title "Eifel_4"
# ラベル
set xlabel "Wavelength (nm)"
set ylabel "Intensity"
# 範囲指定
set xrange [290:800]
set yrange [20000:35000]
# 目盛り指定
set xtics 50
set ytics 50
# 凡例
set key box

こんな感じで作成しておいて,拡張子をpltにして保存しておきます.
分かりやすいようにタイトル,範囲指定などの日本語を入力していますが,全角および日本語入力はエラーの元です.
#をつけてコメントアウトしましょう.
#が文頭についた行は命令として認識されなくなります.
保存する場所は例のごとく,データファイルを保存したフォルダの中です.

このあと,Gnuplotの画面に戻ってデータをロードします.

load "eifel4.plt"

この後にdatファイルを読み込むとおそらく指定したとおりにグラフが表示されるはずです.


【番外編】
さてさて,データが30も40もある〜入力するのがめんどくさい〜あ〜間違っちゃった〜最初からやり直し〜
なんていうこともあると思います.

そんなときはpltファイル.
pltファイルはグラフの表示条件を入力するためだけのファイルではありません.
グラフ表示条件を入力した後にデータの読み込み命令を入力しておけば,何度間違っても大丈夫〜


● 線の種類を変えてみたい!

いろいろ試してみたいお年頃だと思いますので,線の種類を変えたり,色を変えたりしたいですよね.

【 線の種類 line type命令=lt,line width命令=lw】
まずは線幅ですが,好きな数字を入れるとよいようです.もちろん数字が大きくなるほど線の幅は太くなります.
例)plot sin(x) lw 10

もう一つは線の種類です.
lt 数字(1〜8)を入力することで実線から点線まで思いのままです.
例)plot sin(x) with lines lt 数字
画面上やpng表示では色実線になりますが,eps形式で書き出すと点線になります.

【 色の変更 Line color命令=lc 】
プロット命令の後に「lc rgb "色または色番号(#で始まる番号)"」を入力してみましょう.
色の名前はgnuplotの画面上で「show palette colornames」と入力すれば出てくるようです.

例)plot sin(x) lc "red" または plot sin(x) lc "#00000"
<よく使う系>
 black #000000 = 0 0 0
 red #ff0000 = 255 0 0
 dark-green #006400 = 0 100 0
 blue #0000ff = 0 0 255
 magenta #ff00ff = 255 0 255
 salmon #fa8072 = 250 128 114
 purple #a020f0 = 160 32 240
dark-magenta #c000ff = 192 0 255
dark-orange #c04000 = 192 64 0
dark-yellow #c8c800 = 200 200 0
dark-red #8b0000 = 139 0 0


<白黒系>
white #ffffff = 255 255 255
black #000000 = 0 0 0
dark-grey #a0a0a0 = 160 160 160
gray #bebebe = 190 190 190
light-gray #d3d3d3 = 211 211 211
light-grey #d3d3d3 = 211 211 211
dark-gray #a0a0a0 = 160 160 160
slategray #a0b6cd = 160 182 205
gray0 #000000 = 0 0 0
gray10 #1a1a1a = 26 26 26
gray20 #333333 = 51 51 51
gray30 #4d4d4d = 77 77 77
gray40 #666666 = 102 102 102
gray50 #7f7f7f = 127 127 127
gray60 #999999 = 153 153 153
gray70 #b3b3b3 = 179 179 179
gray80 #cccccc = 204 204 204
gray90 #e5e5e5 = 229 229 229
gray100 #ffffff = 255 255 255
slategrey #a0b6cd = 160 182 205


<赤〜黄色系>
red #ff0000 = 255 0 0
light-red #f03232 = 240 50 50
orchid #ff80ff = 255 128 255
brown #a52a2a = 165 42 42
gold #ffd700 = 255 215 0
dark-pink #ff1493 = 255 20 147
coral #ff7f50 = 255 127 80
light-coral #f08080 = 240 128 128
orange-red #ff4500 = 255 69 0
salmon #fa8072 = 250 128 114
dark-salmon #e9967a = 233 150 122
khaki #f0e68c = 240 230 140
dark-khaki #bdb76b = 189 183 107
dark-goldenrod #b8860b = 184 134 11
beige #f5f5dc = 245 245 220
tan1 #ffa040 = 255 160 64
sandybrown #ffa060 = 255 160 96
light-salmon #ffa070 = 255 160 112
yellow4 #808000 = 128 128 0
sienna1 #ff8040 = 255 128 64
sienna4 #804014 = 128 64 20
orangered4 #801400 = 128 20 0
brown4 #801414 = 128 20 20


<緑〜紫系>
royalblue #4169e1 = 65 105 225
dark-spring-green #008040 = 0 128 64
purple #c080ff = 192 128 255
steelblue #306080 = 48 96 128
dark-chartreuse #408000 = 64 128 0
aquamarine #7fffd4 = 127 255 212
green #00ff00 = 0 255 0
dark-green #006400 = 0 100 0
spring-green #00ff7f = 0 255 127
forest-green #228b22 = 34 139 34
sea-green #2e8b57 = 46 139 87
blue #0000ff = 0 0 255
dark-blue #00008b = 0 0 139
midnight-blue #191970 = 25 25 112
navy #000080 = 0 0 128
medium-blue #0000cd = 0 0 205
dark-turquoise #00ced1 = 0 206 209
olive #a08020 = 160 128 32
violet #ee82ee = 238 130 238
dark-violet #9400d3 = 148 0 211
plum #dda0dd = 221 160 221
dark-plum #905040 = 144 80 64
dark-olivegreen #556b2f = 85 107 47
orchid4 #804080 = 128 64 128
mediumpurple3 #8060c0 = 128 96 192
slateblue1 #8060ff = 128 96 255


<要注意系> ※紙面や画面上ではよく見えるが,スライドにすると見えにくい色
 yellow #ffff00 = 255 255 0
 light-green #90ee90 = 144 238 144
 green #00ff00 = 0 255 0
 cyan #00ffff = 0 255 255
 turquoise #40e0d0 = 64 224 208
 pink #ffc0cb = 255 192 203
 khaki #f0e68c = 240 230 140
 orange #ffa500 = 255 165 0
goldenrod #ffc020 = 255 192 32
dark-cyan #00eeee = 0 238 238
light-green #90ee90 = 144 238 144
light-blue #add8e6 = 173 216 230
light-magenta #f055f0 = 240 85 240
light-cyan #e0ffff = 224 255 255
light-goldenrod #eedd82 = 238 221 130
light-pink #ffb6c1 = 255 182 193
light-turquoise #afeeee = 175 238 238
skyblue #87ceeb = 135 206 235
antiquewhite #cdc0b0 = 205 192 176 注)ほぼ白なので背景色を濃い色にするときに使う
chartreuse #7cff40 = 124 255 64
greenyellow #a0ff20 = 160 255 32 注)ほぼ見えない
seagreen #c1ffc1 = 193 255 193
honeydew #f0fff0 = 240 255 240
bisque #cdb79e = 205 183 158
lemonchiffon #ffffc0 = 255 255 192
pink #ffc0c0 = 255 192 192
khaki1 #ffff80 = 255 255 128


● グラフを保存したい

グラフはPrint screenで保存しないでください.
きちんと出力できます.

出力形式にはいくつかあります.png形式とeps形式です.
pngの定義はありますが,まあ通常の画像と同じようなものだと考えましょう.
eps形式はAdobeのIllustratorやGIMP,Inkscapeで開いて画像を編集することができます.
どちらでもいいとは思いますが,後で加工・編集できるepsをお勧めします.

さて,肝心の出力のための命令ですが,それぞれ以下の通りになっています.

― png形式
set terminal png
set out "image1.png"
replot(直前にプロットしたグラフを表示するための命令)

― eps形式
set terminal postscript eps
(Terminal type set to 'postscript')
(Options are 'eps noenhanced monochrome blacktext \)
(dashed dashlength 1.0 linewidth 1.0 defaultplex \)
(palfuncparam 2000,0.003 \)
(butt "Helvetica" 14')
set out "image1.eps"
replot

括弧のところは,最初のset terminal postscript epsを入力した後に自動で出てくるところです.

これらの命令,一度で画像が出てこなければ何度か入力をしなおしてみましょう.
多少時間がかかります.

これで大体のグラフは作成できるはずです.





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